2016.12.26

過去への旅、コニーアイランド

半分空席のニューヨークの地下鉄車両が地下深くから出て、 日が射す場所に再び姿を現すと、そこは住宅地と郊外店舗が立ち並ぶニューヨーク市郊外です。おそらくこれが、より現実的な、街本来の姿といえるかもしれません。
これがアメリカの姿です。マンハッタンではありません。
乗客は、絵で埋めつくされた色とりどりの壁や、地元の人が「ブラウンストーン」と呼ぶ懐かしい外観を持つレンガ造りの集合住宅に囲まれていることに、ふと気付きます。 まるで映画のワンシーン(たぶん映画でこの場所を見たことがあると思います)のようですが、そうではありません。
海やビーチ、そしてなによりもコニーアイランドに着いたのです。
そうです! 信じがたいと思ってもニューヨークにはビーチがあります。

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コニーアイランドは、マンハッタンや(私が住んでいる)ブルックリンからほんの少し電車で行ったところにありますが、ニューヨークの象徴的ともいえるこの遊園地に来ると、ビッグアップルとは似ても似つかぬ、まったく違う世界にやってきた感覚を覚えます。昔ながらの遊園地の魅力とノスタルジックな雰囲気が現代的な遊びやわくわく感と相まって、大人も子供も一年中いつでも楽しめるおすすめの場所です。
コニーアイランドは現実離れした不気味な雰囲気になるときもあります。冬の曇った日で、人がまばらなときは特にそうです。
かつては賑わったいくつかの乗り物とジェットコースターがあるだけの遊園地ですが、ここから海辺の遊歩道が始まっていて、木製の歩道が海へと続いています。 コニーアイランドは昔懐かしい場所ですが、同時に時代遅れとも言えます。プラスチック製のヤシの木があちこちにあり、古くさい乗り物はいまどきの子供たちにはばかにされるようなもので、少なくとも数十年は昔に戻ったような雰囲気が全体的にただっています。 とはいえ、コニーアイランドにはニューヨーク水族館、コニーアイランド・ミュージアム、サーカス・サイドショーなどの多くの呼び物があるので、すべてを楽しむには1日では足りません。 6月から9月の毎週金曜の夜には花火大会があり、一見の価値がある見事な花火が夜空を照らします。

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コニーアイランドのビーチは、ニューヨークのビーチの中で最も有名なビーチかもしれません。第二次大戦後は廃れていましたが、近年、ロングアイランドが活性化されて、コニーアイランドも再生しました。遊歩道は改修され、公共トイレやシャワーなども新たに設置されて、きれいなビーチの姿を取り戻しました。この3マイルも続くビーチは再び家族連れが楽しめる場所になっています。このあたりでは2ベッドルームのアパートがマンハッタンのワンルームアパートより安く、ビーチにも近い活気あふれるエリアということで、多くのニューヨーカーが引っ越してきています。また、屋上のプライベート・テラスから周辺を一望できる宿泊施設があり、ほんの数ブロック歩けばマンハッタンに直行するF系統の列車を利用できるので、交通の便もよいです。

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お腹が空いたら、有名な「ネイサンズ」でホットドッグを味わえます。私はファストフードを食べないので聞いた話ですが、ここのホットドッグは地元で一番おいしいと評判です。ただし、かなり廃れた野暮な感じの店構えで、あまり魅力的とはいえません。 7月4日には、ネイサンズが主催する毎年恒例のホットドッグ早食い競争があります。この大会は、世界中のホットドッグ好きには最も重要な「レース」で、10分間で一番多くホットドッグを食べた人が優勝するという風変わりな競争です。 参加者はホットドッグのパンとソーセージのどちらも食べなければ得点が加算されませんが、それ以外のルールはあまりありません。ソースの使用も認められていますし、飲み物も種類を問わず利用できます。飲み物は、飲むというよりホットドッグを飲み込みやすくするために使う手です。競技の時間は短いので、参加者はほぼ全員、噛まずに大きなかたまりを飲み込むと同時に、水などの飲み物を使ってそれを流しこもうとします。 考えただけで胃がむかむかしてきますが、毎年かなり大食いの参加者が数人参加しますし、数千人の観客が来場する賑わいです。ここ数年、このホットドッグ競争はESPNでも放送されていて、視聴者はおよそ200万人と、全米でもかなり人気のイベントとなっています。

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コニーアイランドはニューヨークの過去の象徴であると同時に、未来に向けても発展しています。