2017.04.19

イギリス料理はそんなに悪くない!!

イタリア出身の私はイギリスに引っ越すとき、大きなスーツケースにイタリアのごちそうや家庭料理をぎっしり 詰め込んで持っていければ思いました。イギリス料理はまずいことで有名ですからね。でも結局、ロンドンでバラエティー豊かな食べ物を目にすることになり、うれしい驚きを感じました。
多民族的なこの街には実にさまざまなグルメシーンがあり、ロンドン料理は多様な調理法、風味、材料が融合されたものになっています。
チャイナタウンの中華料理レストランからフレンチ・ビストロ、イタリアン・ピッツェリア、タイ料理レストラン、スペインのタパスバーまでそろっていますが、こうした店の料理は私が紹介したいイギリス料理ではありません。
イギリス料理の食の伝統は劣っていると思われているかもしれませんが、実際にはフランス料理やイタリア料理とほぼ同じくらい古い歴史を持っています。おいしい料理もちゃんとあるので、こちらに来ることがあったら絶対に食べてもらいたいと思います。ファーストフード店で出される昔ながらの「ジャンクフード」については触れるつもりはありません。
イギリス料理と言うとまず思い浮かべるのは、かの有名な「フィッシュ・アンド・チップス」でしょうが、イギリス料理はこのシンプルな揚げ物料理よりもはるかに奥深いものです。
イギリス料理には肉料理と魚料理に代表されるたくさんの料理があって、たいてい野菜の付け合わせや塩味のペストリーと一緒に出されます。
また、数種類のサンドイッチやイギリス式デザート、世界に名高いイングリッシュ・ブレックファースト(イギリスの伝統的朝食)も挙げられます。
私は塩っ気のある料理が大好きなので、このトピックについて書いているだけで既によだれが出そうになっているのですが、イギリス料理のおいしさに懐疑的な読者にもイギリス料理を試したいと思ってもらえたらいいなと思います。

では、一番基本的なことからご紹介していきましょう。
ほとんどのイギリス人が朝食に選んでいるのは、今なおフル・イングリッシュ・ブレックファーストです(出勤途中に急いでクロワッサンを食べようなのではなく)。どんなものかというと、サルサソースで煮た豆、ソーセージ、卵、パン、ジャガイモでできたパンケーキのような「ハッシュブラウン」、ベーコン、マッシュルーム、トマトです。
最も伝統的な(しかも度肝を抜く!)メニューでは、通常のソーセージの代わりにブラックプディング、つまり豚の血液入りソーセージが登場します。
朝食用のパンはたいていスライスした白パンやライ麦パン、もしくはイングリッシュマフィンですが、卵は好みによってスクランブルエッグ、目玉焼き、ポーチドエッグ、固ゆで卵など、いろんな調理法を選べます。

170411gianfranco_b01
イングリッシュ・ブレックファースト

イギリス人の朝食は一般的にボリューム満点で充実しているため、ランチは簡単に済ませるのが普通です。カフェで軽食をとったり、自宅からランチを持参することもよくあります。
イギリス式ランチはたいてい、ローストビーフか野菜サンド、コーニッシュ・ペストリーです。コーニッシュ・ペストリーとは、肉、タマネギ、ジャガイモ、キャベツを詰めた半月型の食べやすいパイです。
イギリス人は豪華な夕食をとることが多く、サイドディッシュ付きのメインディッシュをデザートと紅茶で締めくくるのが普通です。
最もよく見かける夕食メニューはイングリッシュ・ロースト、バンガーズ・アンド・マッシュ、シェパーズパイです。
イングリッシュ・ローストはヨークシャー由来のメニューで、産業革命の時代に人気が広まりました。骨付き肉をじっくりローストしなければならないため日曜日に食べる伝統的料理となっていて、ベークドポテト、温野菜、グレービーソースが添えられます。
バンガーズ・アンド・マッシュの歴史は第二次世界大戦まで遡ります。このメニューはスパイスとコショウの効いたソーセージに、マッシュポテトを添えたものです。通常、オニオンソース、オニオンリングのフライ、豆類と一緒に出されます。
「シェパーズパイ」はラム肉のラグー、ニンジン、エンドウ豆を具材にして焼き上げた塩味のパイで、たいていマッシュポテトの「毛布」にくるまれて出てきます。
それ以外の定番の夕食メニューと言えば、ローストしたチキンや七面鳥、ハム、魚で、ほとんどの料理に肉汁のグレービーソースや、キュウリのピクルスを使ったチャツネソース、クランベリーソースが添えられます。
なかでもクランベリーソースは、クリスマスに詰め物入り七面鳥を食べるときに使われます。
また、ラムシャンク(ラムのすね肉)などを用いた肉料理にはミントゼリーが添えられることも多いです。
付け合わせとして一番よく見かける野菜は、芽キャベツ、パースニップ(ニンジンに似た根菜)、サツマイモ、マッシュポテトで、ベークドサーモンにはたいてい添えられています。

170411gianfranco_b02
シェパーズパイ

「dulcis in fundo」はラテン語で「最後だからといって決して軽んじてはいけないもの」という意味ですが、これは文字どおり「食後のスイーツ」を意味します。イギリス料理の伝統において、デザートがとても重要な地位を占めていることは間違いありません。スーパーで目にする数多くの魅力的なデザートのほかに、家庭でしか作れないケーキもあります。
最も一般的なイギリスのデザートは、アップルパイ、キャロットケーキ、マフィン、スコーン(ほろほろとした食感の焼き菓子でよく紅茶と一緒に出される)、ライスプディング、カスタードやリンゴのクランブルです。
さらに、イギリスのグルメシーンの中では比較的新しいものの人気急上昇中のバノフィーパイ(バナナとキャラメルのデザート)や、ジャファケーキ(チョコレートビスケットとオレンジのスイーツ)、塩味の料理に目がない私の大好物でもあるスティルトンチーズとクルミのパイ(イギリス産ブルーチーズとクルミでできた冷たいデザート)といった特別なケーキもあります。

170411gianfranco_b03
ピーチクランブルを作っている様子

ちなみに、たくさんの料理を食べて喉が渇いたら、イギリスが誇る多種多様な生ビール、スタウト、紅茶、サイダー(リンゴ酒)で喉を潤すことができますよ。